水平方向への精神病理学、松本卓也
人間は基本的に「思い上がる」ものらしい。
神とか父とか権威的なものを志向する垂直方向への志向性。他方、隣人、共同体に属する仲間たち、世界に暮らす人々へと関心が向く水平方向への志向性がある。
この上と横への志向のバランスが取れていないと人は不調をきたすという。
分裂病の人間は、過度に垂直方向へ伸びている。分不相応の力があると思い込み現実にぶつかり墜落する。ここで病が発生する。
その治癒や予防には水平方向へ関心を向けさせることが必要性になる。平たく言えば、普通になること、凡庸や無力を受け入れること。