書き留めておきたい言葉。レヴィナス。内田樹。
レヴィナスの他者論の基盤となっている「歓待」とは?
文字通り、自分の家に他人を迎え入れて、ご飯を食べさせて、一夜の宿を提供し、裸の人には服を着せ、裸足の人には靴を履かせることです。
食うこと、飲むこと、寝ること、服を着ること、そういう身体のリアリティからレヴィナスの他者論は出発しています。他者の精神や心に向かっているわけではない。
レヴィナスは人間の毀損可能性を重視する。
人間の心は、人間の身体を壊すことができるように、壊すことができる。
人間は壊れる。たやすく壊れる。だからこそ他者はまずその身体において保護されなければならない。それがレヴィナスの他者論のかんどころだと思います。
他者はその思考や感情、あるいは信教やイデオロギーにおいて出会われるより先に、まずその身体的な受苦において、その疲労と空腹と眠気と痛みにおいて、出会わなければならない。
この他者論にはユダヤ人独特のものの考え方が深く刻印されているように思われます。