誤りについて
誤るから多様性へと開かれる。
誤りがなければどこまで行っても一本道である。
街で見知らぬおばあちゃんを見る。
自分のおばあちゃんに対して良い思い出があると親しみを感じる。自分のおばあちゃんに対して何も思い出がなければ、特別感情が動くことはないだろう。
自分のおばあちゃんと見知らぬおばあちゃんが脳のなかで繋がるのである。全く別人でも。これは脳の錯誤、誤りと言える。
この誤る機能(これを機能といっていいのか?)のおかげで、人に優しくなることができる。逆に厳しくなったりもする。
神はあえて人間に誤る機能をセットしたのではなかろうか。愚かさをセットしたのではなかろうか。
誤るから、世界は広がり変化する。
誤るから、なにかが起こる。
誤らなければ悪いことは起きない。良いことも、何も起きない。止まっている状態。つまり死んでいる。
誤るからこそ、生きているといえる。